進む!「省エネ性能ラベル」!!
2024年4月から省エネ性能表示制度による
「省エネ性能ラベル」がスタートしました。
主に新築住宅を対象にていましたが、
中古住宅についても、
いよいよ11月1日からスタートすることとなり、
一層の住宅の省エネ化は進むことになりそうです。
「省エネ性能ラベル」とは?
住宅や建築物を販売・賃貸する事業者
(物件の売主や貸主、サブリース事業者など)が、
物件の広告をする際に、消費者が
省エネ性能の把握や比較ができるよう、
「省エネ性能ラベル」を表示するもの。
対象となるのは、2024年4月以降に建築確認申請を行う
新築および再販売・再賃貸される物件で、
表示については努力義務となっています。
もっとも、従わない場合は、
国が勧告等を行うとされています
(既存建築物は勧告等の対象にならない)。
↑住宅(住戸)の省エネ性能ラベル(イメージ)(国土交通省資料より)
脱炭素社会の実現に向けた住宅の省エネ化の中、
消費者が省エネ性能の高い住宅を選べるように、
新築住宅だけでなく、国内の大半を占める
既存住宅でも省エネ性能の可視化を進めるのが目的です。
「ラベル」と「評価書」
↑住宅(住戸)の省エネ性能ラベルに記載される内容(国土交通省の資料より)
1.エネルギー消費性能が星の数で分かる
シンプルな見方としては、
国が定める省エネ基準より
消費エネルギーが少ないほど、星の数が増えます。
省エネ基準に適合していれば★1つ。
それより10%削減するごとに、★が1つずつ増えます。
なお、★4つ以上は再生エネルギー設備がある場合に付けられるため、
★4つからは★が光るようなデザインになっています。
2.断熱性能が数字で分かる
建物から熱が逃げにくく、日射しなどの
外からの熱が入りにくいほど数字が大きくなり、
国が定める省エネ基準に適合していれば「4」、
ZEH(ゼッチ)水準に達していれば「5」になります。
3.目安光熱費が金額で分かる
電気やガスなどの年間消費量が
どの程度になるか計算し、
エネルギー単価をかけて算出した
年間光熱費が目安として表示されます。
ただし、家族が何人でどんな暮らし方をするかで、
実際に使う光熱費は異なるため、あくまで目安としての金額です。
これは任意項目なので、表示される場合もされない場合もあります。
「エネルギー消費性能の評価書」
これは省エネ性能ラベルの内容を
詳しく解説した書類のことです。
評価書は消費者に渡されるので、必ず保管するようにしましょう。
将来、住宅を購入してその後に売却する場合に、
この評価書があれば、売る際の広告でもラベルが使用できます。
もちろん、仕様を変更していないなど、省エネ性能が維持されていることが前提です。
「部位ラベル」とは?
↑省エネ部位ラベルの例(国土交通省の資料より)
既存住宅では、住宅全体の「省エネ性能ラベル」を
表示することは難しいが、省エネ改修など
部分的な省エネ性の高さを評価することはできるため、
「省エネ部位ラベル」がスタートします。
1.「窓」と「給湯器」
窓か給湯器のどちらかの省エネ改修
(断熱性能の高い窓か高効率の給湯器に改修)
をしていることが必須条件となります。
さらに「窓」の場合は、「リビング・ダイニング」の窓の
省エネ改修を行っていることが必須条件となり、
その他の居室でも、リビング・ダイニングと同様の
省エネ改修を行っている場合にはチェックが付きます。
2.任意項目
「外壁」「玄関ドア」「節湯水栓」「高断熱浴槽」
「空調設備」「太陽光発電」「太陽熱利用」などで、
一定水準以上の商品を使っていれば、チェックが付きます。
なお、外壁と空調設備では、
リビング・ダイニングの外壁やエアコンが対象で、
節湯水栓はキッチン、洗面所、浴室シャワーのいずれか1つ以上が対象となります。
また、省エネ改修や設備機器の交換は、
同時期にしているとは限らないので、
任意ではあるが、それぞれの
改修・交換工事の時期を記載することになっています。
↑省エネ部位ラベルの表示項目(国土交通省の資料より)
「評価」に要注意!
では、誰が部位の省エネ性能を評価するのか?
それは物件の売主や貸主などが行う「自己評価」となります。
しかし、売主や貸主が個人の場合は、
売買を依頼した仲介事業者や賃貸管理を依頼した
賃貸管理事業者などが代わって行うことになります。
また、特定の講習を受けた専門家が評価する方法もあり、
その場合はその旨を記載できるようになっています。
この点、故意に異なる内容を表示したり、
故障して使えない設備機器まで表示したりなど、
不当な表示をした場合は、国から勧告などを受けることになります。
もっとも、既存住宅で大規模な
リノベーション工事を行った場合は、
「住宅性能ラベル」を取得することができますが、
「住宅性能ラベル」と「省エネ部位ラベル」の
両方表示することはできません。
また、制度が始まった2024年4月以降に
「住宅性能ラベル」が発行された新築住宅は、
既存住宅として改修を行った場合には
「住宅性能ラベル」を再発行する必要があり、
「省エネ部位ラベル」を使うことはできないとされています。
まとめ
ここ日本では、既存住宅が国内の大半を占め、
住宅の省エネ化が欧州より遅れている実態があります。
そのため、国は公約している
「2050年のカーボンニュートラル」に向けて、
住宅の省エネ性能の引き上げを段階的に進めています。
消費者としても、新築マンションや新築戸建てを
購入する際に「性能を意識する」という傾向は強まっています。
そのため「省エネラベル」等の表示が増えていけば、
住み替えや購入先を探す際に有力な検討材料になるのは間違いありません。
また、こうした広告への表示を努力義務としていますが、
評価書を受け取る消費者には、
その内容がしっかりと説明されることも必要になります。
国も消費者も強く意識している住宅の省エネ性能は、
専門的で分かりづらいですが、こうしたラベルなどを参考にして、
その違いを事前に確認していきましょう。
KR.designでは、最適な省エネ仕様につきしっかりと説明いたします。
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