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「200年住宅」とは!?

2024-08-17

「200年住宅」とは、政府・与党が推進する

「長期優良住宅」のことを指します。

長期優良住宅制度の発端は、

欧米に比べて寿命の短い日本の住宅を100年、 200年と

数世代が住み続けられる家にしようという

「200年住宅ビジョン」でした。

2008年12月5日に長期優良住宅法が公布されています。

長期優良住宅では、登録免許税、不動産取得税が 、

一般住宅より安くなるため、家選びのキーワードになります。

今回は、そうした長期優良住宅制度につき解説していきます。

 

長く安心・快適に住み続けられる住宅

長期優良住宅とは、国が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアした住宅のことです。

長期優良住宅認定制度は2009年にスタートしており、

認定戸数は年間10万件程度で推移し、

近年は、新築戸建住宅の約4戸に1戸が長期優良住宅の認定を取得しています。

認定を受けた住宅を「認定長期優良住宅」といい、以下の一定基準を満たす必要があります。

●劣化対策

通常想定される自然条件・維持管理条件下で、

数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること

<劣化対策等級(構造躯体等)の等級3など>

●耐震性

極めてまれに発生する地震に対し、損傷レベルの低減を図ること

<耐震等級(倒壊等防止)等級2、または一定基準以上の免震建築物>

●維持管理・更新の容易性

構造躯体等に影響を与えることなく、

配管や設備の維持管理を容易に行うために必要な措置が講じられていること

<維持管理対策等級3(専用配管・マンションの共用配管)など>

●可変性(マンションのみ)

間取り変更の可能な措置が講じられていること

<躯体天井高2650mm(2.65m)以上>

●バリアフリー性(マンションの共用部分)

共用廊下などに、将来のバリアフリー回収に対応できるスペースが確保されていること

<高齢者等配慮対策等級3(共用部分)>

●省エネルギー性

断熱性能などの省エネルギー性能が確保されていること

<断熱等性能等級5かつ、一次エネルギー消費等級6>

●居住環境

地域における居住環境の維持および向上に配慮されたものであること

<地区計画や景観計画、建築協定などに区域内にある場合、その内容と調和を図る>

●住戸面積

原則として、床面積の合計が一戸建ては75m2以上、

マンションは55m2以上。両者とも少なくとも1つの階の床面積が40m2以上(階段部を除く面積)

●維持保全計画

建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修などに関する計画が策定されていること

 

認定を受けるためには、所管行政庁または登録住宅性能評価機関に、

着工までに申請を行います。

申請は建築主か建築会社などが行いますが、建築会社が行うのが一般的です。

長期優良住宅認定を受けるためには、

間取りや設備・仕様に配慮しないと基準を満たせません。

プランが固まってから間取りや設備を変えると、修正に手間や時間がかかります。

そのため、家づくりをスムーズに進めるためには、

長期優良住宅の認定を取りたいという意向を、早い段階で伝えるようにしましょう。

 

低炭素住宅との違い

「低炭素住宅」とは、

二酸化炭素の排出を抑えるための対策が取られた、環境にやさしい住宅のことです。

都市における低炭素化を促進し、持続可能な社会の実現を目指すことを目的として、

「都市の低炭素化の促進に関する法律」(エコまち法)が平成24年12月に施行され、

新たにスタートした制度が「低炭素建築物認定制度」です。

都道府県または市(区)から低炭素住宅と認定されることで、

さまざまな優遇措置が受けられます。

 

この点、長期優良住宅を新築する場合、

「劣化対策」・「耐震性」・「維持管理・更新の容易性」・「省エネルギー性」

などの項目についてそれぞれ認定基準を満たす必要がありますが、

低炭素住宅の場合、クリアすべき基準は

「省エネルギー性」および「低炭素化のための措置」のみです。

どちらの住宅も税制上の優遇など金銭的なメリットは似通っていますが、

低炭素住宅の方が満たすべき基準が少ない分、

長期優良住宅よりも認定取得のハードルが低いと言えます。

 

したがって、長く住みたいとなればやはり長期優良住宅のほうが有利ですが、

そこまでの性能は必要ないと思われる人にとっては、

税制面での優遇や光熱費の削減というメリットのある低炭素住宅は大きな魅力だと思います。

2025年4月から建築基準法の省エネ基準が引き上げられ、

「省エネ住宅(省エネ基準適合住宅)」が一般的な住宅になり、

またその5年後の2030年には、省エネ基準のさらなる引き上げが計画されています。

自分の暮らしに合う住宅を選択していきましょう。

 

長期優良住宅のメリット

 

メリット1:世代を超えて住み継ぐことができる

 

長期優良住宅は、高い性能によって快適かつ安心して暮らせる家になり、

長い期間を通じて快適に過ごすことができます。

耐震性や省エネ性を満たすことで、快適かつ安心できる家になります。

 

メリット2:税の特例措置

 

以下はいずれも期間が定められた措置なので、

利用を検討する際には期限を必ず確認してください(2024年8月時点)。

 

■住宅ローン減税

住宅ローンを借りて新築住宅を建築/購入した場合、

年末ローン残高の0.7%が所得税・住民税から13年間控除されます。

長期優良住宅の場合、年末ローン残高の限度額は4500万円。

13年間の最大控除額は「409.5万円(4500万円×0.7%×13年)」となり、

住宅ローン控除の対象住宅の中では最も高い金額です。

※中古の長期優良住宅の場合、買取再販は新築と同じ。

それ以外はいずれの世帯も限度額3000万円、控除期間10年。

※最大控除額がその年の所得税等を超える場合、所得税等の額が控除限度額となる。

 

■不動産取得税

不動産取得税とは、住宅・土地の購入時に支払う税金です。

一般住宅は課税標準から1200万円控除されますが、

長期優良住宅は1300万円まで控除されます。※2026年3月31日まで

なお、2027年3月31日までに宅地を取得した場合、

土地の課税標準額が2分の1に軽減されます。

また、住宅用の場合、税率は土地・建物のいずれも3%です。

 

■登録免許税

登録免許税とは、住宅・土地の購入時や新築時に、

所有権を登記する際に払う税金です。

戸建ての一般住宅の税率は保存登記0.15%、移転登記0.3%ですが、

長期優良住宅なら保存登記0.1%、移転登記0.2%と

税率の引き下げが受けられます。※2027年3月31日まで

 

■固定資産税

住宅・土地の所有者が支払う税金です。

新築時に税額が1/2に減額される減税措置が受けられますが、

その期間が、戸建ての一般住宅は3年間、長期優良住宅なら5年間に延長されます。

 

メリット3:住宅ローン金利引き下げ

 

住宅金融支援機構と民間金融機関が共同で提供する住宅ローン【フラット35】のうち、

【フラット35】S(金利Aプラン)および維持保全型、

およびその2つの併用で金利引下げを受けることができます。

【フラット35】S(金利Aプラン)では、当初5年間0.5%、

【フラット35】維持保全型では、当初5年間0.25%、

その2つの併用で当初5年間0.75%の引き下げを受けられるため、

借り入れ当初の返済負担を軽くすることができます。

また、長期優良住宅は【フラット50】が利用可能。

これは、返済期間最長50年で、将来、住宅を売却することになった場合、

購入者に住宅ローンを引き継ぐことができるものです。

 

メリット4:地震保険料の割引き

 

長期優良住宅の認定を受け、

所定の書類を保険会社に提出することで、

地震保険料の割引きが受けられます。

例えば、耐震等級2なら30%、耐震等級3なら50%の割引率が適用。

免震建築物でも50%の割引きが受けられます。

 

メリット5:補助金制度

 

「子育てエコホーム支援事業」は、

エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい

子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、

住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、

子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、

2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。

制度の利用には、事業の手続き等を行う補助事業者として

予め事務局に事業者登録した業者が建てることなど、

要件を満たすと補助が受けられます。※募集枠があるため事前確認が必要です。

長期優良住宅の場合、1住戸につき100万円の補助を受けられます。

 

長期優良住宅のデメリット

 

デメリット1:費用がかかる

 

長期優良住宅制度を申請するときには、

認定申請書や複数の添付書類が必要です。

このため、書類の作成や代行申請に別途費用がかかるケースが一般的です。

建築会社によって標準仕様は違うため、いくらかかるかは一概にはいえませんが、

一般的には長期優良住宅の認定基準を満たすために、

建築費は1.2~1.3倍程度になると考えられます。

※申請費用の目安

・設計図書類の作成 20万円程度

・技術審査や認定のための手数料 5万~6万円程度

さらに依頼先によっては代行申請料などが加わります。

 

また、耐震性や断熱性能を向上させるための建築コストも必要になります。

優れた住宅性能を確保するには、構造部材や住宅設備は、

一定のグレードが高いものを選ぶ必要があります。

もっとも、『建築コストは割高だけど、自然災害後に補修すれば住み続けられる家』と、

『建築コストは抑えたものの災害後に建て直さなければいけない家』とでは、

どちらが良いのかは言わずもがなですね。

 

デメリット2:メンテナンス履歴の作成・保存が必要

 

長期優良住宅制度の認定を受けるには、

申請時に維持保全計画を立て、建築後はその計画を適切に実施する必要があります。

さらに、大きな台風や地震の後には臨時点検の実施も定められています。

維持保全計画を実施するには、建築会社への依頼や、

実施記録を作成・保存する必要があります。

 

ただ、実施記録は所轄行政庁などに提出する義務はなく、

求められた際に報告すれば大丈夫ですが、

適切に実施していないと判断された場合、

認定が取り消される可能性があり、その場合には

認定取得を条件とする補助金や、

税の特例措置等で得られた利益の返還を求められることもあります。

 

もっとも、こうしたメンテナンス実施内容の書類を手元に残せば、

メンテナンスを頼む建築会社が変わったとき、スムーズに引き継ぐことができ、

また売却する際には、きちんとメンテナンスされていることの証明になり、

住宅を高い価格で売ることも可能ですので、大きなデメリットにはならないと言えます。

 

まとめ

長期優良住宅にはメリット・デメリットがあります。

それらをよく知り、自分たちの資金計画やライフスタイルと照らし合わせ、

十分に検討することが大事です。

 

もっとも、現在の家づくり事情を見渡せば、

どこの建築会社も性能の良い住宅づくりに力を注いでいます。

そこでは、長期優良住宅の認定を受ける受けないにかかわらず、

耐震性、バリアフリー性、省エネ性に配慮した家づくりを実現できます。

また、屋根材や外壁材などの建材の進化も住宅の質を向上させています。

 

そのため、長期優良住宅の認定を受けていなくても安全・快適な家は実現できますが、

今後重要なのは完成後のメンテナンスを考えることです。

家づくりは建てて終わりではなく、定期的な点検や間取りの変更、設備更新などが重要です。

それらが、永く居心地の良い暮らしにつながり、

また家族構成や暮らし方の変化に対応もしやすくなります。

 

注文住宅を建てるときは、長期優良住宅のメリットだけでなく、

手間やコストも知ったうえで認定を受けるかを検討しましょう。

 

KR.designでは、長期優良住宅認定所得も可能です。

 

→長期優良住宅のご相談はコチラから!

 

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