Blog

ブログ

HOME > ブログ > 『断熱新時代』 とは

『断熱新時代』 とは

2024-07-13

住宅の品質は年々向上していますが、

中でも「断熱性能」に関心が集まっています。

 

脱炭素社会の実現や、光熱費の削減など、

これまでも注目されていましたが、

これからは新たに「健康」というキーワードで、

大きく注目されてきます。

 

住む人の”健康”に大きく関わる

 

これまで注目されていた「快適性」「メンテナンス性」「経済性」

といったことに加え、「健康」の観点からみても、

高断熱な住まいを選ぶことのメリットは大きいです。

 

「住まいと健康に関するガイドライン」

 

「住まいと健康に関するガイドライン」(WHO/2018年)によると、

高齢者だけでなく、子どもにおいても、

冬季室温をさらに高めるべきとして、

寒さによる健康被害から居住者を守るための室温として、

“18度以上”を強く勧告、寒い季節がある地域の住宅においては、

新築時や改修時の断熱材設置を条件付きで勧告しています。

 

日本の住宅

 

日本の平均的な既存住宅は、

上記WHOの基準を満たせていないのが現状です。

冬季の在宅中平均居間室温(都道府県別)の調査によると、

全体の9割が18度を下回っています。

 

冬季は呼吸器系の疾患や心疾患の発症が増えることで、

死亡率が高くなる傾向がありますので、

“冬季死亡増加率”は冬季室温が低いエリアが高いです。

 

たとえば、最も寒冷な北海道では、

外気温が低いにもかかわらず、

死亡増加率は全国平均を大きく下回る10%で、

その在宅中平均居間室温が18度を上回っています。

そのため、冬季室温と死亡率の因果関係がみてとれます。

 

こうした家の断熱性と健康の関係性は、

死亡率以外にも、血圧上昇抑制、脂質異常発症の低下、

夜間頻尿発症の低下などがみられるといいます。

また、暖かい住まいでは風邪を引く子どもが4割少ないことや、

女性の月経痛が4.5割少なく、PMS発症が3.4割少ないなど、

断熱性は私たちの健康に直結する必要不可欠な条件であるといえそうです。

 

省エネ最低基準

 

 

日本では住まいの断熱性を、

等級1~7までの指標「断熱等級」で表しています。

等級1を”無断熱”、等級数値が上がるほど高い断熱性とし、

2025年4月以降の新築には等級4が義務化、

2030年までには断熱等級5以上を義務化することが決まっています。

断熱等級4・5・6・7の違いやおすすめの等級、高断熱の家を建てる際の注意点などを解説! | SUUMOお役立ち情報

また、今年2024年4月には、

「省エネ性能表示制度」がスタートし、

住宅や建築物を販売・賃貸する際の広告に、

断熱性能も含めた省エネ性能ラベルを表示することが努力義務となりました。

 

「断熱」ニーズ

 

注文住宅の重視条件で、「断熱性・気密性」は「耐震性」に次ぐ2位で毎年増加中です。

こうした断熱性能が求められる背景は以下の通りです。

■気候の変化で、旧来型の日本の家が限界に

・・・気象庁の発表によると、100年前にはまれだった35度以上の猛暑日が、

2023年は東京都で過去最高の22日になるなど、現代では急増しています。

■電気料金は2024年7月請求分が過去最高水準に

・・・化石燃料費用の高騰や政府による補助金の終了による要因です。

 

住宅の断熱性能を上げるメリットはこれまでは以下の通りです。

・少ないエネルギーで快適に過ごせる

・結露やカビが発生しにくい

・急激な温度変化によるヒートショックを予防できる

・国の補助事業など金銭面での優遇が受けられる

 

そして、断熱を取り巻く動向について、今後注目すべきポイントは以下の通りです。

 

1. 全世代の健康寿命の延伸

 

WHO(世界保健機関)は、2018年11月、

健康被害から居住者を守るための室温として、

全世代に冬季で18度以上を強く勧告しています。

 

2. 多様な選択肢の登場

 

断熱性能の高い住宅の選択肢は増えてきています。

・断熱性能が高く、冷暖房費が安く済む賃貸物件

・「性能向上リノベ」や一部だけのリノベ

・マンションや団地でも管理組合が断熱改修を実施

・主要ハウスメーカーなどは2025年までのZEH普及目標~達成

・技術の高いスーパー工務店

 

3. 学校や公共施設などへの広がり

 

夏季の教室の体感温度が高い学校ほど、

体調不良の訴えや、集中力欠如の発生率が上がりましたが、

断熱改修など徹底した環境改善を行えば、

集中力欠如や体調不良の訴えが少なくなり、

学習環境が良くなることが分かっています。

 

4. 売却時も高評価となる査定システムへの挑戦

 

これまでの日本では住宅への投資額に対し、

資産額が非常に低くなっていました。

その原因の一つは、建物への評価が低いことです。

35年ローンを組む投資に見合わない資産となってしまってました。

しかし、現在の新しい中古住宅の評価法では、

耐震性などと並び、省エネ基準など、

基準を満たした新築時の性能や改修などの投資に応じて建物の評価額を上げます。

 

まとめ

 

これまで断熱が注目されていたのは、

脱炭素社会の実現や光熱費の削減がポイントでした。

 

しかし今後は、 より生活者の関心事に近い

「健康」「QOL(生活の質)向上」にも寄与することで注目が高まってきています。

 

また法改正や手厚い補助事業、多様な選択肢など「断熱」を実現する手段も整ってきました。

そのため2024年は「断熱新時代」に突入する元年とも言われます。​

 

KR.designでは、健康にも配慮した断熱性能を目指します。

 

→断熱新時代のご相談はコチラから!

 

——————————————————————–

【KR.design】

愛知県知多郡阿久比町大字卯坂字栗ノ木谷20番地の8

Tel.0120-84-2330

[営業時間]10:00~17:00( 定休日:水曜日・木曜日 )