ゆくゆくは実家を引き継ぐ方へ
「持ち家派」or「賃貸派」は
よく論争されますが、
第3勢力として、
「実家を引き継ぐ」という方もいます。
そこで、今回は実家を引き継ぐ場合の
ポイントを解説していきます。
「備えるべきこと」
親が亡くなった後だけでなく、
介護が発生したときや、
施設で生活することになったときも、
実家をどうするのか考えるタイミングでもあります。
具体的には、以下のことを確認しておくとよいでしょう。
・引き継ぐ理由は?
→「相続財産」「親と同居する」「親の仕事を引き継ぐ」「Uターン(転職)」など
・引き継ぐ対象は?
→「戸建住居」「マンション」「親の所有土地」など
・引き継ぐ実家の立地は?
→「都会」「田舎」など
・引き継ぐタイミングは?
→「相続時」「具体的に想定している時期」など
・引き継ぐ実家建物の状況は?
→「そのまま居住可能」「大幅な手直しが必要」など
建物の老朽化
どんなに堅固につくられた家であっても、
長い年月の間には雨や湿気などにより
痛んでいる箇所がある場合も少なくありません。
昔の耐震基準で建てられた家では
耐震性も懸念されます。
また、キッチンやお風呂、トイレなどの
主な住宅設備は30年経てば、
大半のものが更新時期をむかえます。
そのため、大半の場合リフォームが必要となり、
場合によっては、リノベーション費用として、
新築価格の半分近い費用が掛かるケースもあります。
引き継ぐまでの期間で、それらの費用を準備していきましょう。
少なくとも耐震補強、バリアフリー対策は必須でしょう。
また、メンテンナス費用も新築よりもかかります。
引き継いだ建物の築年数が古いと、
メンテナンス費用も多くかかってきます。
そのため、メンテナンス費用は、
かなり必要であることを想定して、生活設計を行ってください。
住まいを引き継いだ途端に雨漏りしたりして、
大幅な修繕が必要になる場合もあります。
リフォームが不要なケースでも、
引き継ぐ際に修繕準備金を用意しておいた方がよいでしょう。
実家の相続対策
相続人が複数ある場合、
相続財産として分けられるものが他にない場合など、
誰が実家を受け継ぐかで意見が分かれてしまい、
相続手続きが進まないことがありえます。
法定相続人であれば、財産をもらいうける権利があるため、
平等に分割して欲しいと主張することが可能ですが、
実家の資産価値が高いケースや、
他に金融資産などの相続財産が少ないケースでは、
平等に配分することが難しい場合があります。
「代償分割」
実家を相続した相続人が、
他の相続人に金銭などを与える方法で、
平等に分割することをいいます。
たとえば、1,000万円の価値のある不動産が相続財産とした場合、
相続人全員(仮に子供4人とします)で、
話し合いをして(遺産分割協議といいます)、
長男が不動産を取得することに決めます。
その長男は、不動産の権利をもらう代わりに、
他の3人にそれぞれ250万円ずつ支払うという方法です。
不動産は金銭と違い、物理的に分けられないため、
このような方法が取られます。
実家を相続する人が他の相続人に支払う代償交付金は、
あらかじめ生命保険等を活用して準備することもできます。
円滑な相続を考えるならば、あらかじめ家族で話し合い、
対策を講じることが大切です。
相続の流れ
被相続人の死亡から相続人等がやるべきことは以下の通りです。
被相続人の死亡
↓
相続の承認と放棄
(相続開始があったことを知った日から3ヵ月以内)
↓
準確定申告
(相続開始があったことを知った日から4ヵ月以内)
↓
相続税の申告
(相続開始があったことを知った日から10ヵ月以内)
不動産を相続した後の税金については、
通常、不動産取得税(「固定資産税評価額×3%(特例)」が発生します。
しかし、相続によって取得した不動産の場合は、この税金はかかりません。
相続による取得でも登録免許税(所有権移転登記)はかかります。
これは所有権を亡くなった人から相続人へと変更するもので、
と言います。相続による場合は
「固定資産税評価額×0.4%」で税額を計算します。
その他として、所有期間中に発生する
固定資産税と都市計画税があります。
これらは、前年の固定資産税の納税通知書で確認できます。
どちらも評価替えは3年に1度ありますが、金額の目安になります。
自身の老後対策
一般的に、親が亡くなる時は、
本人もよい年齢になっていることが多いです。
そのため維持管理に労力と費用のかかる住宅に、
いつまで住み続けられるかは難しい問題たなりえます。
現在は、年をとれば戸建住宅を売却し、
高齢者施設への入居や駅近の便利なエリアの
手ごろなサイズの中古マンションを購入する傾向も高いです。
実家の資産価値が高ければ、売却して老後の資金に充てることもできますが、
そうでなければ、老後の対策は別途立てておかなければなりません。
そのため、若い時から老後の生活をイメージをして対策を考えておきましょう。
一般的に、ゆくゆくは実家を引き継ぐから「今は賃貸派」
が成立するのは、若い時期に実家を引き継ぐケースであることが多いです。
もちろん「今は持ち家派」でも実家を引き継ぐことは可能です。
引き継ぐまでの期間があれば準備ができますので、
「持ち家は子供に相続」「持ち家は売却して、
その資金で実家をリノベーション」など、いろいろな対策が可能です。
まとめ
自身で不動産を購入せずに、住まいを手に入れられるので、
ラッキーと考えることもできますが、
とくに老朽化が進んでいる建物では、
住み心地や耐震性など不具合や懸念点を解消しなければなりません。
たとえば、誰も住んでいないままの状態が続き、
ガラスが割れたままになっていたり、
衛生面、安全面で周囲の人を脅かす危険な状態であると
行政が判断した空き家は、「特定空き家」に指定され、
罰則を受ける場合がありますので注意が必要です。
一方で、売却しやすい様に先に建物を取り壊してしまうと、
更地となり固定資産税が6倍になります。
そのため、実家を引き継ぎ住む場合も、売却する場合も、
その事態が発生してから考えはじめるのでは遅い場合もあります。
親の家の相続がある場合には、早めに家族で話し合いをし、
家を売却した場合の評価額を調べてみるなどの準備をしておきましょう。
あくまで住居は、その方が考えている生活スタイルを
実現するための手段であり、大切な資産ともなります。
現在の生活と、引き継ぐ実家とをあわせて考えて、
どちらも生涯計画の線上に置くようにしましょう。
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